《いしいひさいちファンの、在岡山市兼業出版者です》
一介のファンが出版者に
ある日、何度目かで『バイトくん』シリーズを読んでいてハタと気付きました。「そうだった、いしいひさいち氏は岡山県出身だった…」 さらに作品を読み進めていくうちにある企画が頭に浮かび、日を追うごとに「本にしたい」という想いが強くなりました。2007年8月、意を決していしい先生にお手紙を書きました。以来ラブコールを送り続け、企画が実現できそうな感触を得た2009年の8月、「蜻文庫」としてISBNを取得しました。
そしていしい先生への想いをお手紙に綴りながら機が熟すのを待ち、先生のご休養期間を経て遂に2013年3月、『まぁ映画な、岡山じゃ県!』を出版させていただきました。先生の4コマまんがと世良の映画エッセイとのコラボという、最初の企画とは少々違う形ではありますが私たちにとってはむしろ想像だにしなかった、この上なく嬉しい本になりました。
出版不況の中でも
業界についての知識もなく、手探りで始めた私たちです。「より多くの人が読みたいのはどんな本か」ということがわかるはずもありません。となると、私たち自身がおもしろいと思う本を作るしかありません。これからも、いしい先生に「相手をせにゃぁおえまー」と言っていただけるような(いしい先生の岡山弁は拝聴したことはありませんが)企画を一つでも多く実現するとともに、本にできるような「おもしろい!」素材を見つけていきたいと思っています。
(藤野薫/世良利和)